映画『トゥルーマン・ショー』感想・考察【誰にでも起こり得る洗脳の罠にハマった男の末路】
どうもこんにちは、fukubroです。
今回は1998年公開の映画『トゥルーマン・ショー』(原題:The Truman Show)の感想・考察について書いていきます。
映画『マスク』シリーズや『ライアーライアー』などコメディ映画でお馴染みジム・キャリーの主演作。今作でも安定感あるパワフルな演技で笑いと元気を届けてくれること間違いなし!
映画『トゥルーマン・ショー』見どころ・ポイント
・アメリカコメディ映画の王道といったらコレ!
・自分の常識で観ると騙されます
・ラストは安定のジム・キャリー節炸裂!
映画『トゥルーマン・ショー』作品情報
映画の主な作品情報はこちらです。
映画『トゥルーマン・ショー』ストーリー
続いて映画の簡単なあらすじのご紹介です。
出典:YouTubeムービー
ある男性の30年間の私生活がアメリカのリアリティー番組によって24時間生放送されていたという衝撃作。
アメリカにある小さな離れ島・シーヘブンで平穏な毎日を送る主人公のトゥルーマン。
日中は保険会社のやり手セールスマンとして働き、妻は美人看護師というハイスペックな夫婦。休日には妻のために庭の手入れをし、幼馴染と酒を飲みながら語らう充実した日々を過ごしていきます。
ところが些細なことから彼は今まで何気なく過ごしていた生活に違和感をおぼえ、やがて誰かに監視されていると感じるようになります。
そして、彼はそれまでのありふれた日常を捨て、人生をやり直すために島から出ることを決意します。
コメディ界の帝王と称されるジム・キャリーの体当たり演技に注目です!
完璧な人生など存在しない
この映画をみて思ったことは、
「すべてを手に入れられる都合の良い人生はない」
ということ。
トゥルーマンでいえば彼は一流保険セールスマンという設定で、さらに美人な看護師の妻をもつ比較的恵まれた身分といえます。
しかし、実際には彼の私生活は生まれたときから30年間監視され続け、彼のプライバシーは視聴者に晒され続けていたというのが事実でした。彼はその事実を知った瞬間自分の人生に落胆します。
このことを自分に置き換えて考えると、どれほど恐ろしいかよく分かります。
生きていくのに十分なお金があり、近所でも自慢の奥さんがいたとします。しかし、ある日突然あなたの人生そのものが偽りですべて台本通りだったと知ったらそれまでと同じように暮らしていくことができるでしょうか。
人はプライバシーや自由が侵されるとストレスに感じるようになり、それまでと同じ暮らしを送ることが難しくなっていきます。
この映画をみて、どんな立場の人でも生きるために大なり小なり犠牲を払っていることに改めて気づかされました。
うまい話にはじゅうぶん注意が必要ですね(+_+)
「当たり前」のもつ怖さ
この映画ではもう一つ大事なことに気づかされました。
それは、
「自分の人生が操られていることに何の疑問も抱かずに過ごすことの愚かさ」です。
私たちが暮らす日本では、相手を思いやる気持ちやおもてなし精神を大切にする文化が存在します。
「日本人ならば礼節を尽くすのは当たり前」と思う方も多いかもしれません。
ただそれは日本のなかの話。
外国では真逆の個人の個性や特性を生かし、積極的に自分の意見を発信することを重んじています。そのため、外国からみた我々日本人というのは、控えめで自分の意見を言えない消極的な性格の人々として映るでしょう。あるいは、言論の自由が制限されていて堅苦しいと思われるかもしれません。
しかし、われわれにとってはそうした生活が当たり前のものとして染みついているのです。
国によって常識・文化・習慣は異なります。
生活する環境が違えばその分だけ価値観や考え方も様々です。
私たちは「生まれ育った環境や場所の常識にとらわれて生きる存在」なのです。国の中でもさらに細分化すれば、家庭ごと学校や地域ごとによっても価値観・考え方は異なるでしょう。
さらに習慣というのは恐ろしいもので、私たちの潜在意識のうちに自分の行動をコントロールしている場合があるのです。
この映画は、90年代に世界的にヒットした「リアリティーショー文化」「見世物文化」を題材に作られています。エンターテイメントに対する痛烈な皮肉を込めて作られた映画としてもファンのあいだで有名です。
今でもテレビ番組などでタレント・芸能人の部屋をのぞき見する企画が放送されたりしていますね。
映画『トゥルーマン・ショー』の世界では、視聴者たちが一人の男性の私生活に興味をもっていて、ほとんどの人がそれを当たり前に感じて観ているという不気味な感じがあります。トゥルーマンのプライバシー保護を真剣に考える人はいません。
明かに法に触れる行為であるにもかかわらず誰もそれを指摘しようとしないことに違和感をおぼえました。でもそれはその世界では「常識」であり「当たり前」のこととして共通認識されているんですよね。
文筆家のユリウス・カエサルがのこした言葉で有名な一文があります。
「人間はみな 自分の見たいものしか見ようとしない」
彼は多くの人々が自分の信じたいものしか信じない特性をもつことをこの一言であらわしました。
私はこの言葉をうけて、
「本当にこれは正しいことなのか?」と常に自問自答を繰り返すことが物事の本質を見抜く鍵であると感じました。
また、偉人が新たな発見を生み出すことができたのはこの自問自答を繰り返した結果なのだと理解することができますよね。
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おわりに
というわけで今回は映画『トゥルーマン・ショー』の感想・考察を書いていきました。
この映画で特に素晴らしかったのは、トゥルーマンのラストのセリフ。
このセリフには映画がはじめから最後まで一貫して伝えたかったことが込められていると感じました。じつに秀逸に作られた作品です。感動しました。
その後どうなったか想像を掻き立てるラストと、視聴者にわずかな希望を与えてくれる描写は圧巻でした。
トゥルーマンのように常識をいったん疑問視する姿勢は大事だなと思いました。
いつも平和な生活が送れることを当たり前に思ってはいけないのかもしれません。
最後までご覧いただきありがとうございます。
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自分探し・人生との向き合い方を教えてくれる映画『365日のシンプルライフ』の感想・考察
どうもこんにちは、fukubroです。
今回は2014年公開の映画『365日のシンプルライフ』(原題:TAVARATAIVAS/MY STUFF)の感想・考察について書いていきたいと思います。監督自らの赤裸々な私生活を1年間にわたって撮り続け、ドキュメンタリー調に仕上げた本作。物を取捨選択することは、豊かな生活を手に入れるヒントだった―。
映画『365日のシンプルライフ』見どころ・ポイント
・修理・古いものの再利用で、暮らしに工夫が施されている
・主人公の友人たちが彼の理解者となり、困ったときのサポートをしていく
・ライフスタイルを変化させたことである良いことが起こる
映画『365日のシンプルライフ』作品情報
この映画の主な作品情報のご紹介です。
映画『365日のシンプルライフ』ストーリー
出典:シネマトゥデイ
フィンランド・ヘルシンキに住む青年ペトリ・ルーッカイネンが彼女にフラれたことをきっかけに1年間必要な物だけで生活することを実験的に行っていきます。本作はそのようすをカメラに収めたドキュメンタリー映画となっています。
面倒なことをあえてやっていくペトリのストイックな姿勢に圧倒されました。
とくに冒頭の新聞紙一枚、裸同然で登場するシーンは強烈でした。まだ雪が残る地面を裸足で歩くペトリの姿に強い意志が感じられました。
彼女にフラれたから仙人生活って監督かなりぶっとんだ人だよね、カエルくん。
fukubroさんは失恋したときどうしてました?
好物をたらふく食べてたかなあ。ははは!
(ドキッ)そ、そうなんですねぇ(゚Д゚;)ははは…。ふぅ。
きょうから始めるシンプルライフ
「物がたくさんあることが幸せなのか?」
「人生で本当に必要なモノはなにか?」
という素朴な疑問を投げかけてくれる映画。
カメラで撮影した映像をほぼ加工なしで映しているせいか、終始たんたんと進んでいく内容に途中で飽きてしまう人も出てきそうです。しかし、レンズ越しに映し出されるペトリの赤裸々な私生活に刺激を受ける人も少なくないでしょう。
ペトリが彼女にフラれてから決心したことは3つ。
まず、家にあるすべての家具・家電・衣類・小物などの荷物をいったん貸出倉庫へ預けていきます。そして、彼は自らにあるルールを課します。
それは、
・倉庫から1日1つ必要だと思うものを持ち帰ることができる
・1年間何も買わず、持っている物で生活する
・この実践を1年間やる
というものです。常人には考え付かないなんとも型破りな内容ですね。
ペトリのこの試みは単に「考えなしに物をどんどん捨てていこう」ということではなく、彼なりの人生との向き合い方として描かれています。
ペトリのように、「今までたくさんの物に囲まれ便利な生活を送っていたけれども、その結果自分にとって本当に大事なものを見失ってしまった、、、。」という気持ちはなんとなく分かります。
物に頼らない生活を自分自身に強いることが、ペトリ流の人生との向き合い方というわけですね。
この映画の本当に伝えたいことはそこに隠されている気がします。
一見突拍子もない発想にみえて、物をいきなり捨てずにまずは倉庫に預けると考えるところが慎重に考えて判断しているなという印象をもちました。
とはいえ、冷蔵庫やキッチン用品を必要に感じないという発言には驚かされましたが。
彼が一日ごとに倉庫へ足を運んで物をとりにいくシーンでは、思わず「自分ならまずは何を選ぶかな」と想像を膨らませながら観ていました。
(これぞまさに視聴者参加型映画?)
買い物をするときや物を使うとき特に考えずに「あたりまえ」に選んでしまっていることってありますよね。身の回りに物が溢れていて何でも選び放題の状態だと、物の一つひとつの価値や役割はなにかなんて考えなくなってしまいます。
一つひとつのモノの価値やありがたみを再認識することで生活の質・満足度は向上していくということをこの映画では語っています。
そして生活を整えると、やがて新たな出会いが生まれるように、「人生の代謝を良くしていく」ことが重要だと学びました。高価なものを身に着けると、なんだか自分の価値が上がったような気になりますよね。私もそう思っていました。しかし、映画を観て白・黒・グレーのモノトーンを魅力的に着こなしているペトリをみてかっこいいと思いました。ペトリの持ち物は少ないけれども、一つひとつが洗練されていてとてもシンプル。そこに彼のセンスの良さを感じました。
あくまで自分の人生の主役は自分。そして所有物である衣服や小物類は自分を引き立たせるための存在。ペトリが物とのかかわり方をそんな風に割り切って考えていくところに好感が持てます。
幸せの感じ方や見つけ方は人それぞれ。やり方に「正しい」「間違い」というのはありません。
映画では物を手放す描写でいくつか過激な演出もありますが、これはあくまでペトリが人生と向き合うための試練を乗り越えようとやっていること。けっして物を捨てることが幸せに直結する行為だと盲目的に主張しているわけではありません。
この映画は私たちに「自分の本音に正直に生きていく」ことの大切さを伝えてくれているのです。
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おわりに
というわけで今回は映画『365日のシンプルライフ』の感想・考察を書いていきました。
この映画もそうですが、YouTubeでルーティン動画をあげて私生活をさらけ出す人たちをみてすごいなといつも思います。
だって普通の人にはそんな度胸ないですから。けど、人の私生活をのぞき見するのってなんだかワクワクしませんか?
他人の生活には、自分の知らない常識があって、知らない世界をレンズをとおして疑似体験できるって改めて考えるとすごいことですよね。
この映画に触発されてペトリのように実際にやってみたという人が続々と現れているようですが、ペトリの身の回りのサポートをしてくれた友人たちの活躍があってこそ成し得たことだと思います。
やはり、持つべきものは真の友ですね。
最後までご覧いただきありがとうございます。
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