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映画『かぞくのくに』あらすじ感想【国家分断によって生き別れたある家族の悲劇の物語】


かぞくのくに DVD

こんにちは!

今回ご紹介するのは、2012年公開の邦画『かぞくのくに』です。本作は、在日コリアン2世であるヤン・ヨンヒ監督の衝撃の実話を基にしたフィクションです。北朝鮮で暮らす兄ソンホ役を井浦新、妹のリエ役を安藤サクラが演じます。この作品の最大の見どころは、演技派俳優の二人が渾身の演技で文化も習慣も異なる在日朝鮮人の兄妹になりきるところです。

 

作品情報

監督ヤン・ヨンヒ

キャスト井浦新(兄)、安藤サクラ(妹)、宮崎美子(母)津嘉山正種(父) ほか

受賞歴:第62回ベルリン映画祭/フォーラム部門・国際シアター連盟賞受賞

    第86回キネマ旬報/1位獲得 ほか

 

≪≪≪予告動画はこちら


出典:シネマトゥデイ公式チャンネル

 

映画『かぞくのくに』あらすじ

 

それでは、簡単なあらすじのご紹介です。

 

1959年から1984年までに実施された北朝鮮の帰国事業。これにより、多くの在日朝鮮人の方々は日本から北朝鮮へと帰国していきました。そして、当時16歳だったソンホもその一人です。

 

日本へ残った父と母、そして妹のリエは、兄との再開を心待ちにしますが、それから25年もの間、ソンホ含め帰国事業で日本を出発した人々が帰ってくることはありませんでした。国の厳しい制限によって彼らの自由は奪われていました。

 

ソンホは現地で出会った女性と結婚し息子とともに平凡に暮らしますが、41歳になったとき、脳腫瘍と診断されます。

 

病気の治療を理由に知人のコネで日本に一時帰国が許されたソンホは、日本で暮らす父・母・妹リエとの25年ぶりの再会を果たします。しかし喜びも束の間、彼らに待ち受けていたのは悲しい現実でした。

 

ここから先はネタバレを含む内容や表現がございますのでご注意ください!

 

映画『かぞくのくに』ネタバレ感想・見どころ

 

ここからは、映画の感想やみどころをご紹介していきます。

 

冒頭でも書きましたが、見どころはなんといっても俳優さんの演技ですね!

 

もともと井浦新安藤サクラの演技が好きだったということもありますが、このお二方の共演ということで、はずれるわけがない!と思ったわけです。

 

韓国映画息もできない』に出演のヤン・イクチュンも本作では監視役として出演していますね。飾らない演技をする俳優さんです。『息もできない』を観てファンになりました。俳優だけでなく監督としても幅広く活躍されているようです。

 

映画の中身については、終始たんたんと話が進んでいく感じで、派手な演出や展開こそないものの、ソンホ役の井浦新無口で落ち着いたキャラが引き立てられていて、とてもよかったです。リエ役の安藤サクラとのやりとりのシーンも息ぴったりで本物の兄妹のようでした。

 

タイトルにもあるとおり、ソンホにとって、日本はあくまで”自分の家族が住んでいる国”という認識にすぎず、”自分の祖国は北朝鮮なんだ”と心のどこかで思っているのでしょう。家族といるときも時折、寂しそうな顔で遠くのほうに目をやるソンホ。もしかすると、日本で家族のいる暮らしの幸せに気づいてしまったら、あちらに戻れなくなるのではないかと恐れていたのかもしれません。

 

平和な日本で生まれ育ってきた筆者にとっては遠い世界の話のように感じてしまいました。。。観終わっあ後しばらくズーーンと消化不良な感じがありました。本作は、謎多き北朝鮮の実状を知る数少ないコンテンツなのではないかと思います。

 

北朝鮮が行った帰国事業の実態とは?

 

 

「帰国事業」とは、日本と北朝鮮政府が推進した施策のことで、1950年代~1980年代に行われた在日朝鮮人を対象とした大規模な移住のことです。この間に日本から9万人以上の在日北朝鮮人が北朝鮮へ渡ったと言われています。

 

当時は、冷戦の真っただ中で日本も貧しく、在日朝鮮人の方々は不利な立場におかれていたため、学歴が良くても仕事は限られたものしかなく、日本人以上に貧しい生活を強いられていました。

 

そんな時に発表されたのがこの「帰国事業」でした。「地上の楽園」として謳われ、日本のメディアでも大々的に取り上げられていたそうです。当時日本で苦しい生活を送っていた彼らにとって希望の光に感じられ、多くの人が安泰な生活を求めて船に乗って北へ向かっていきました。

 

しかし、現地では過酷な労働と食糧難で命を落とす人が多くいたそうです。脱北者の方の中でも現在も生存できている人はわずかなのだとか…。

 

 

まとめ

 

というわけで、今回は映画『かぞくのくに』をご紹介させていただきました。

 

内容に関しては勿論、賛否両論あるかと思いますが、個人的にはこういうアングラ系が好きでよく観ているので面白かったです。

 

やはりフィクションとはいえ、実話を基にした作品なだけあって見ごたえ抜群でした!

 

また観てみたい!」という部類の映画ではないですが、未知な部分が多い「北朝鮮を知りたい」という方や、「日常に刺激が少ないな」って方にはおすすめできます。

 

最後までご覧いただき、ありがとうございます!!

 

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