映画「新感染/ファイナル・エクスプレス」のあらすじ（ネタバレなし）と感想（ネタバレあり）
こんにちは！
今回おすすめする映画は、2017年に公開の韓国映画「新感染/ファイナル・エクスプレス」です。本作は、韓国で2016年7月20に公開され、日本では2017年9月1日に公開されました。
映画「新感染/ファイナル・エクスプレス」の作品情報
まずは、映画をまだご覧になっていない方に、作品情報のご紹介です。
【公開日】2017年/118分/韓国
【受賞歴】
カンヌ国際映画祭ミッドナイト・スクリーニング部門＝特別招待作品として出品
ファンタジア国際映画祭＝最優秀作品賞
シッチェス・カタロニア国際映画祭＝監督賞・視覚効果賞を獲得
【監督】ヨン・サンホ
【主要キャスト】
コン・ユ（ソグ）、キム・スアン（スアン）、チョン・ユミ（ソンギョン）、マ・ドンソク（サンファ）、チェ・ウシク（ヨングク）、アン・ソヒ（ジニ）、キム・ウィソン（ヨンソク）ほか
映画「新感染/ファイナル・エクスプレス」のあらすじ（ネタバレなし）
まずは、映画をまだご覧になっていない方にネタバレなしのあらすじをご紹介いたします。
舞台は、ソウル発プサン行きの高速鉄道「KTX」。ファンドマネージャーのソグ（コン・ユ）は、幼い娘スアン（キム・スアン）を連れて別居中の妻がいるプサンへ向かうべく列車に乗り込みます。
同列車には、中年マッチョのサンファ（マ・ドンソク）と身重の妻ソンギョン（チョン・ユミ）夫妻、そして高校野球チームの生徒で恋人同士のジニ（アン・ソヒ）とヨングク（チェ・ウシク）らがそれぞれ乗車します。
しかし、そこへ異様な雰囲気を漂わせた一人の女性が駆け込んできます。
女性の正体は、ゾンビウイルスの感染者だったのです。
しかし、感染者を乗せたことに気づかずに列車はそのまま発車してしまいます。女性は間もなくゾンビと化し、次々と乗客に襲い掛かります。そして、列車内はあっという間にゾンビで溢れかえります。
生き残った乗客たちは、互いに協力してゾンビから身を守る方法を画策しますが、高速バス会社の常務であるヨンソク（キム・ウィソン）の自分勝手な裏切りによって生き残った者の間で派閥ができ、仲間割れを起こしてしまいます。
そのころ、車内のテレビに韓国各地で無差別暴力デモが発生しているというニュースが映像とともに流れます。車両の両端をゾンビに囲まれ、絶体絶命のソグらは停車駅で避難を試みますが、ゾンビと化した人々が避難者に襲い掛かる光景を目の当たりにし、窮地に立たされます。
裏切り、恐怖、成長、親子愛、夫婦愛、恋愛…さまざまな要素が詰め込まれた本作。
ゾンビ映画にしては珍しく、ヒューマンドラマをみているような展開でした。
本作は、時速３００キロ以上の特急列車内に紛れ込んだ一人の感染者が凶暴化し、次々と乗客に襲いかかる密室パニックアクションです。逃げ場のない密室空間で生き残るために人々は極限状態下でどんな行動を起こすのか？車内で繰り広げられる人間模様にも注目です。
映画「新感染/ファイナル・エクスプレス」の感想（ネタバレあり）
ここからは、既に作品をご覧になった方にネタバレありの感想をご紹介していきます。
感動するゾンビ映画として話題に
本作はただのゾンビ映画ではありません。
アクション重視の従来のアメリカ系のゾンビ映画とちがって、シチュエーションや話の設定、個性豊かな人間模様、特殊メイクなどさまざまな要素がバランスよく組み合わさってできています。
ですので、一言でゾンビ映画として語るには勿体ないと思える貴重な作品です。
根っからの仕事人間で今まで自分や自分の周りの人間の利益しか考えてこなかった主人公のソグは、はじめこそ自分と娘の命だけが助かればいいという考えでいましたが、同じく生き残ったサンファの言葉によって心を入れ替えます。
途中までかなり大活躍だったサンファは残念ながら、途中で妻とお腹にいる娘を守るためにゾンビの犠牲となってしまうのですが、自分勝手な考えのサンファが変われるきっかけを作ってくれた人物です。
そしてその言葉の通り、サンファは直後に自らの体を盾にして必死にゾンビから家族を守り切ります。この場面をみてサンファのファンになった方は多いのではないでしょうか。
そして、ソグはサンファの意思を受け継ぎ、残されたソンギョンとお腹の中の子を守ることを決意します。
高校球児のカップルは、相思相愛のアツアツ美男美女カップルといった感じで終始お互いを思いやった行動をとっていきます。しかし、バス会社常務のヨンソクの身勝手な行動に巻き込まれてジニがゾンビに襲われ感染してしまいます。
ヨングクはジニが感染してしまったと知ってもそばを離れず、最後はゾンビと化したジニによって絶命してしまいます。ヨングクは逃げようと思えば助かったかもしれないのに、彼女を見捨てない一途な姿勢にグッときました。
サンファに続き、作中で大活躍を見せてくれた人物だっただけに感染してしまって残念な気持ちはありますが最後まで意志を貫いたところはかっこよかったです。
男性キャラで唯一最後まで大奮闘したソグも、ラストでゾンビと化したヨンソクによって手を噛まれ、ゾンビに転化する前に自ら娘スアンのもとを去っていきます。
ゾンビになるギリギリの瞬間まで娘を想い続けたのでした。生き残ったソンギョンとスアンは、命からがら初期防衛に成功した地域へとたどり着き、そこで軍に保護されて助かります。
最後にトンネルの中でスアンが「アロハ・オエ」という歌を口ずさむシーンがあります。この歌には愛するものとの別れという意味があるそうです。命がけで守ってくれた愛する父親に向けて歌ったものだったのでしょう。スアンの涙に見事もらい泣きしてしまいました。
まとめ
というわけで、今回は映画「新感染/ファイナル・エクスプレス」をご紹介してきました。
意外と知られていないですが、本作は、アニメーション映画監督で知られるヨン・サンホ監督の実写映画デビュー作でもあります。
ゾンビ映画というと、B級のイメージであったり、ホラー映画のなかでも圧倒的にグロシーンが多く含まれているためか、敬遠されがちなジャンルでもあります。
ですが、今作ではグロシーンが控えめで、主人公たちのそれぞれの人間模様が丁寧に表現されており、純粋にストーリーを楽しみたいという方にもおすすめできる内容となっています。
また、韓国初のゾンビ映画ということで各方面の有識者が絶賛し、話題となりました。
「韓国映画を普段見ない」という方や、「ゾンビ映画を避けていた」、という方でも十分に楽しめる作品です。
『Peninsula』（半島）という題で、本作の4年後を描いた続編が発表されています。2019年に撮影開始とのことですが、公開日は未定となっています。
本作を気に入ったという方はぜひそちらもチェックしてみてください。
最後までご覧いただきありがとうございます！次回もお楽しみに！！
