映画「ペイ・フォワード/可能の王国」のあらすじ(ネタバレなし)と感想(ネタバレあり)
こんにちは!
今回ご紹介する映画は2001年公開の米映画「ペイ・フォワード/可能の王国」(原題:「Pay it Forward」)です。
映画「ペイ・フォワード/可能の王国」の作品情報
公開日:2001年/上映国:アメリカ/上映時間:123分
監督:ミミ・レダー
主要キャスト:ケヴィン・スペイシー(シモネット先生)、ヘレン・ハント(アーリーン)、ハーレイ・ジョエル・オスメント(トレバー)ほか
≪≪予告編[英語版]
映画「ペイ・フォワード/可能の王国」のあらすじ(ネタバレなし)
続いて、本編をまだご覧になっていない方に簡単なあらすじ(ネタバレなし)のご紹介です。
アルコール依存症の母アーリーン(ヘレン・ハント)と家出した暴力的な父親との間に生まれた11歳の知的な少年トレバー(ハーレイ・ジョエル・オスメント)。
中学1年生になったばかりの彼の社会科の担当教員は、顔に目立った火傷の跡があるシモネット先生(ケヴィン・スペイシー)でした。
授業でシモネット先生から、世界を変えるための取り組みを課題として与えられ、悩んだトレバーは人に受けた恩をまた別の人々に返していく「ペイ・フォワード」という案を思いつきます。
そして、彼は自分の提案を実証するため、まずは自分の周りにいる3人の不幸な人たちに善行を施すことにします…。
映画「ペイ・フォワード/可能の王国」の解説・感想(ネタバレあり)
ここからは、本編をご覧になった方にネタバレありの感想をご紹介していきます。
トレバーが善行を施す相手というのは、ホームレスのジェリー、シモネット先生、いじめられている親友の3人でしたね。ホームレスのジェリーに対してトレバーがとった行動は、お腹を空かせて外をうろついているところを保護し、自宅に招待します。
そして、一緒に夕飯をとり、母親に気づかれないよう、こっそり使われていない部屋で寝泊まりさせ、自らのお小遣いを渡して普通の生活をさせてあげることでした。その甲斐あってか、ジェリーはトレバーから受け取ったお金で服と靴を新調し、仕事の面接を受けて見事合格します。
住み込みの修理工として雇ってくれる就職先を見つけたジェリー。クスリによって仕事も生活もすべて失い、ホームレスとして生きていかなくてはいけない境遇にいた彼にとって、トレバーはまさに人生のどん底を救ってくれた命の恩人に近い存在です。
ジェリーはトレバーへ受けた恩を次へ渡すと約束し、トレバーたちのもとを去っていきます。しかし、後日トレバーがジェリーのもとを訪れた際に、彼はトレバーの呼びかけに反応することはなく、寮内で仲間とクスリを楽しんでいたのです。
ジェリーがまだ再起できていないことを知ったトレバーはジェリーの救済は失敗だったと落胆して帰ります。
次にトレバーが選んだ相手は、社会科の担任シモネット先生でした。
謎に包まれたシモネット先生の素性を知ろうとしつこく探りますが、はじめは何かのいたずらだろうと先生からはまったく相手にしてもらえませんでした。ところが、ある時トレバーの計らいでシモネット先生と母親のアーリーンが夕食をともにします。
その後何度かデートを重ねるうちに二人は親密な関係へと発展していきます。
その様子をみたトレバーは手応えを感じますが、その矢先に家出をしていたトレバーの父親がやり直したいとトレバーたちのもとに押しかけてきます。はじめて見た夫の真剣な態度にアーリーンも一度は一緒に暮らすことを承諾してしまいますが、暮らし始めてすぐに夫は酒を飲み、トレバーたちに乱暴をはたらくようになります。
もう一度母親とやり直すことをもちかけるトレバーに、シモネット先生は首を横に振ります。トレバーの計画は今度も失敗してしまうのです。
残るはいじめられっ子の親友アダム。
しかし、アダムがいじめられているところを助けることができず、最後もあっけなく失敗に終わり、3人の救済に失敗したと考えたトレバーはすっかり自信を失います。しかし、一見失敗に思えたトレバーの取り組みは、着実に成果を上げていたのです。
彼の発案したペイ・フォワードという理論は、ムーブメントとしてニュースに取り上げられ、全米に反響を巻き起こすまでになっていました。
一方、トレバーが最初に救ったジェリーは相変わらずクスリ漬けの日々を送りますが、一人の女性の自殺を食い止めたことによってトレバーの意思を次に渡すことに成功します。
そして、シモネット先生と母親アーリーンの関係はというと…互いの意思が通じ、二人の恋は実ります。
TV出演などで一躍有名人となったトレバーは、多くの人々をあたたかな気持ちにしました。
しかし、残念なことにそんな彼の最後は、呆気ないものとなります。
いつものようにいじめられている親友の救済に入るトレバーですが、運悪く加害者の少年によって命を落としてしまいます。エンディングで大勢の人たちがトレバーを弔いに、家の前に集まってろうそくを手向けるシーンで終わります。
ラストに関しては駆け足で急展開だったなという印象を抱きました。
途中までは完全にハッピーエンドの流れだったので結末が意外な展開でとても驚きました。
今回の感想では触れていないですが、シモネット先生の火傷の原因や壮絶な過去話も作中では明らかにされています。
あれだけの虐待を親から受けていながらも、教員として子供たちに教える立場の仕事を選んだ覚悟がすごいと思いました。
映画を観て改めて思ったことですが、見返りを求めずに他者に善行を施すって難しいと思いました。
受けた恩を返すという意味の“ペイ・バック”の考え方ではなく、人に与えてもらった思いやりを次に繋げていく、転送するという意味の“ペイ・フォワード”。
微妙なニュアンスの違いでしたが、映画を観てその違いが明らかであることに気が付きました。
まとめ
というわけで、今回は映画「ペイ・フォワード/可能の王国」についてご紹介させていただきました。
やはり見どころはハーレイ・ジョエル・オスメントの演技力でしょうか。「シックス・センス」や「フォレスト・ガンプ/一期一会」など数々の作品にも子役として出演していますのでそちらもチェックしてみてくださいね。
最後までご覧いただきありがとうございました!次回もお楽しみに!!