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映画『日日是好日』あらすじ・感想【茶道との出会いが人生を変えた!森下典子の自叙伝】


日日是好日 DVD

 

 こんにちは!

今回は映画日日是好日のあらすじや見どころ、感想などを書いていきます。

原作はエッセイストの森下典子さんによる自叙伝的エッセイ日日是好日「お茶」が教えてくれた15のしあわせ』(2002年発行)。2018年に黒木華樹木希林W主演により映画化されました。2018年9月15日に亡くなられた樹木希林さんが最後に出演した映画としても話題となりました。主人公・典子が茶道との出会いをきっかけに人生との向き合い方を学びながら成長していくお話です。茶道の魅力や奥深さが感じられる一作となっています。

 

 

 

映画『日日是好日』作品情報

 

主な作品情報はこちらです。

 

監督:大森立嗣

主要キャスト黒木華(典子)、樹木希林(茶道教室の武田先生)、多部未華子(典子の従姉・美智子) ほか

公開日:2018年10月13日(日本映画)

受賞歴:第42回日本アカデミー賞(2019)/最優秀主演女優賞・最優秀助演女優賞ノミネート

上映時間:100分

 

≪≪予告動画はこちら


出典:テレビ東京公式チャンネル

 

映画『日日是好日』ストーリー/あらすじ

 

それでは、簡単なあらすじのご紹介です。(ネタバレは含んでおりません)

 

自分のやりたいことが見つからず毎日を何気なく過ごす主人公の典子が、茶道教室との出会いをきっかけに日々の生活から自分を知るきっかけをつかんでいくお話。

 

大学生の典子(黒木華)は20歳になり、将来やりたいことがない自分に危機感を感じ、従姉の美智子(多部未華子)と何か新しいことをやろうと話し合います。

 

典子の母親の勧めで茶道教室へ通うこととなった二人は、そこでただものではないと噂の武田先生と出会います。

 

茶道の「さ」の字も知らない二人に、武田先生は“まずは形から覚えていけばいい”と優しく教えます。二人は武田先生の独特な指導法に戸惑いながらも、レッスンの回数を追うごとに自然と所作が身についていることに気付きます。

 

典子は不思議な茶道の世界に魅了され、今度は“入れ物に心を吹き込む”ことを意識していきます。

 

映画『日日是好日ネタバレ感想

 

ここからは、ネタバレ表現を含む内容の記載がございます。これから映画をご覧になる方やネタバレを知りたくないという方はご注意ください。

日日是好日」の意味や由来は?

 

日日是好日」にはいろんな読み方があるそうですが、映画では「にちにちこれこうじつ」という読み方がされています。

 

日本では禅で使われる言葉として有名です。言葉の由来は中国の雲門文偃(うんもんぶんえん)禅師という方が弟子たちにこの言葉を発したことから広く知られるようになったそうです。

 

日本語で直訳すると、「毎日が良い日である」という解釈になりますね。

 

「好」とは良いこと、嬉しいこと、という意味ではなく嬉しいことも悲しいこともどんな出来事でもすべては自分にとって良いと思えるように精進していく決意 を表したものなのだそう。

 

したがって日日是好日というのは、毎日がどんな日でもありのままに生き、悲しい出来事が起こったとしても自分で状況を改善しようと努力すればその日は自分にとって良い日となる、つまりどんな日でも毎日良い日であるよという解釈 になります。

 

しかし、ここで私たちはこう考えます。

 

「人生はつらいもの」「毎日が幸せであるわけはない」

 

そのとおりです。

特にストレス社会と言われる現代で生活する私たちは日々何かしらの障害を抱えて生きています。いつも物事を前向きに考えられるわけではありません。

 

しかし、逆に毎日がストレスなく自分の思い通りに物事が動く世界で生きることもまた新しいストレスを生み出すとは思いませんか?

 

なぜなら、毎日適度に刺激(=ストレス)のある状態が一番私たちのモチベーションを上げるからです。だからこそ、「明日」や「将来」がいい日であることを願い続けるのではなく、今自分を縛り上げているこのストレスとうまく共存していこうと考えることが人生を豊かにしていく考え方なのだと雲門文偃は言っているのではないでしょうか。

 

辛いことや苦しいことを経験するから、幸せなことを幸せと感じられるのでしょう。

 

茶道で「季節感」が重要なワケ

 

日本は世界でも珍しく、四季がはっきりとした国です。そのため、日本の伝統文化には古くから「季節感」が重視されてきました。茶道もそんな日本文化の一つです。

 

昔の人々は、季節ごとに旬の食材を並べて味わうことで食文化を確立してきました。しかし、現在では一年を通していつでも手軽にいろんな食材が手に入るため、食べることをとおして季節を感じる機会がぐんと減ってしまいました。

 

茶道は、日本の伝統文化の中でも「季節感」を大切にしている文化です。例えば、季節によって模様が異なる茶碗を使い分けたり、菓子も季節の風情に合わせて色味を変えたりと、「季節感」を目で見て舌で味わって楽しむ工夫が施されています。 このように、季節ごとのイメージを楽しむのが茶道の醍醐味といわれています。

 

作中で武田先生は初日のレッスンで典子たちに茶道の難しい話は一切せず、お茶と菓子を出してもてなしました。それは、茶道を理屈で理解させるのではなく、形から入ることによって茶道を五感で感じてほしいという想いがあったからなのかもしれません。

 

インターネットが普及し、今やわからないことはGoogleYahoo!で検索すればすぐに答えが見つかる時代です。しかし、武田先生の茶道に対する姿勢を見ていると、不便の中にこそ素晴らしい気づきが隠されているという気がしました。

 

典子と美智子は、掛け軸に書いてある言葉の意味や分からないことを片っ端から先生に質問し、自分たちで考えようとしませんでした。しかし、武田先生はあえて簡単に答えを教えることはせず、まずはやってみることだとアドバイスします。

 

つまり、誰かから言葉で伝えられたことよりも自分で体験したことのほうが何百倍も多くのことを吸収できるからです。そして、自分で体感したことはいつまでも私たちの財産として記憶に残り続けるのです。

 

人生は比べるものでなく創るもの

 

同じタイミングで茶道教室に通い始めた典子と従姉の美智子でしたが、美智子は大学卒業とともに茶道教室を辞めてしまいます。その後すぐに就職先も決まり、数年後には婚約者と結婚、会社を寿退社し、子供も生まれます。

 

かたや典子は美智子が辞めた後も一人で教室に通い続けます。大学卒業後、ものを書く仕事に就こうと考えた典子は出版社の試験を受けます。しかし、結果は不採用となりアルバイト生活をしながら茶道教室に通う日々を送ります。

 

それから季節は流れ、気づけば典子は30代になっていました。長年付き合った彼氏とも別れ、そこへ最愛の父親の死が重なります。

 

典子はふと美智子のことをうらやましく感じ、自分の人生が惨めなものに思えてきます。

 

いつの間にか典子にとって長年通い続けている茶道教室が唯一の心の支えになっていました。10年以上通い続けた典子は、茶道教室ですっかり古株となっていました。後輩に次々と先を越され、「自分は人より劣った存在」であると感じるようになります。

 

新年最初のお茶会(初釜:はつがま)の日。武田先生は”今日という日は一期一会であり、毎日が同じことの繰り返しに見えて二度と戻ることがない大切な一日である”と話します。その言葉を聞いて典子ははじめて日日是好日という言葉の本当の意味を理解します。

 

自分の人生もまた一度きりしかないわけで、他人と比べていても仕方がない。典子は美味しいお茶を戴いている今この瞬間が何よりも愛おしいものに感じられ、今まで拘っていたことが急にくだらないものに思え、自分らしく人生を突き進んでいく決意します。

 

おわりに

 

というわけで、今回は映画日日是好日のご紹介でした!

 

主演の黒木華さん、不思議なオーラをまとった方ですよね。黒木さんが出ている映画は毎回チェックしてしまいます。人を惹きつける魅力がある演技派な女優さんです。20代と30代の典子の演じ分けが見事でしたね~。

 

そして本作は樹木希林さんの遺作でもありますね。大好きな女優さんだったので訃報を聞いたときは喪失感が半端なかったです。唯一無二の存在でしたから。私は樹木希林さんの演技を見ていると、なぜだかいつも泣きそうな気持ちになります。

 

『あん』万引き家族では号泣させられました。涙腺がゆるくてすみません。。自粛中に過去作を観て懐かしみたいと思います。

 

最後までご覧いただきありがとうございます。次回もお楽しみに!!

 

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