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映画『アメリ』あらすじ・考察【独特な世界観とノスタルジックな雰囲気に心惹かれるフランス映画の代表作】


アメリ DVD

 

 

こんにちは!今回ご紹介するのは、2001年公開のフランス映画『アメリ』(原題:Le fabuleux destin d'Amélie Poulain)です。

 

映画『アメリ』作品情報

監督ジャン=ピエール・ジュネ

キャストオドレイ・トトゥ、マチュー・カソビッツ ほか

受賞歴

2001年セザール賞 作品、監督、音楽、美術賞受賞

2001年アカデミー賞 外国語映画美術撮影音響脚本賞ノミネート

2001年ゴールデングローブ賞 外国語映画部門ノミネート

 

予告動画


出典:Movieclips Classic Trailers official

 

映画『アメリ』ネタバレあらすじ

 

続いて、既に映画をご覧になった方にあらすじ(ネタバレあり)のご紹介です。

 

主人公アメリは、幼いころより冷淡な父親と神経質な母親によって外の世界から隔離された生活を強いられて育ちます。幼いころのアメリの唯一の親友は金魚の「クジラ」。人と関わる機会が極端に少なかったアメリは、たびたび空想の世界へと意識を飛ばします。

 

母親はアメリの幼いころに不慮の事故で亡くなったため、それからは父娘の二人暮らしになります。母親が亡くなってから父親はますます人に興味をもたなくなり、自分の殻にこもるようになってしまいます。そして、アメリの生活はより閉鎖的なものとなっていきます。

 

そんな彼女も22歳になると、自立するためにパリの中心地、モンマルトルのカフェ「ドゥ・ムーラン」で働きだします。

 

しかし、現実は恋人もおらず、週末は実家で父と過ごすという変わり映えのない日々を送ります。そこで彼女は自分の退屈な生活に変化を与えるために勇気を出して行動を起こそうと決意しました。

 

ある時、彼女は自分の住んでいる部屋の浴室で前の住人の持ち物を発見し、それを持ち主に返そうと思い立ちます。アメリと同じアパートに住む老人レイモンの協力によって持ち主の男性を探し出すことに成功します。

 

アメリはその成功体験が忘れられず、今度は身近な人にも親切を施そうと決意します。

 

カフェで働く同僚や自身の父親のために夢中になって動いていると、アメリ自身にも良いことが起こり始めます。アメリは何度か町で見かけたことがある謎の青年ニノ(マチュー・カソビッツ)のことが気になり始めます。

 

ニノの落とし物を拾ったアメリは、落とし物のアルバムから、二ノが証明写真の収集家であることを知ります。アルバムを返そうと勇気を出して二ノの職場を訪ね、アルバムとともに手紙を残します。

 

手紙のメッセージを知った二ノは、アルバムを届けてくれた恩人に会うため、アメリの手紙の指示通りに動きます。

 

手紙にはカフェ「ドゥ・ムーラン」に来るようにと書かれていました。

 

予定時刻にお店に現れた二ノを見て、胸を高鳴らせるアメリですが、シャイな性格の彼女は直接彼に話かけることができず、同僚のジーナに頼んで手紙を渡してもらうことにします。

 

後日、手紙の存在に気づいた二ノが慌ててお店を訪れますが、アメリは留守中であったためお店を後にしてしまいます。入れ違いでお店に顔を出したアメリは彼が帰ってしまったことを知り、落胆します。

 

自宅に着いてからもショックで塞ぎこむアメリへ、レイモンがビデオ越しに励ましのメッセージを送ります。勇気をもらい、彼に会いにゆこうと玄関のドアを開けると、そこには思いを寄せる二ノが立っていました

 

そして二人は見つめあい、無言で愛を交わします

 

やがて二人は恋人同士になり、アメリは二ノの運転する自転車でパリの街を駆け抜けていきます。

 

 

好きなことを基本にした生活

 

映画の冒頭でアメリやほかの人たちの好きなこと嫌いなことを紹介するシーンがあります。アメリは、生活に「好きなこと」を積極的に取り入れ、徹底的に「嫌いなこと」を遠ざけています。

 

アメリの好きなこととは、

 

豆の袋に手を突っ込むこと、映画館で観客の表情をこっそり見ること、石の水切り、クレームブリュレのおこげの部分をスプーンで割ること

 

嫌いなことは、

 

昔のアメリカ映画に出てくるわき見運転のシーン、と言っています。

 

極端な考えだなという印象をもちますが、物事を考えるうえで、行動を起こすかどうかを「好き」か「嫌い」かで直感的に判断するというのはある意味合理的ともいえるでしょう。

 

そして何より、複雑に考えすぎない分、早く行動に移すことができます。「好きなこと」だけを突き詰めて生きるのは案外しんどいものです。

 

子供のころは好きなことと嫌いなことがはっきりしていて、本能のままに動いていたのが、大人になると、理性で考え、動くようになります。日々、成長しているので考え方に変化が出てくるのは当然です。

 

しかし、アメリの場合は父親の誤診によって心臓病だと思われていたので、幼少期は基本的に家の中で過ごしていました。

 

人とあまりかかわらないで済んだので、譲歩することや、相手の気持ちを理解するといったスキルが欠けていたのではないかと思われます。

 

彼女が物事の判断基準をいつも好き嫌いによって決めていたのには生活環境の影響があったのかもしれません。

 

結果的に、アメリは好きな家具に囲まれて生活し、付き合いたい人たちとだけ関係し、好きなことをして幸せに生活ができているので彼女にとってその決断は正解だったのでしょう。

 

本当はこうしたい」と思っても、「でも、できない」と諦めてしまうより、やってみて失敗するのもアリかなとアメリを見て学びました。

 

 

おせっかいで不器用なアメリが愛おしい

 

映画を観ていて、アメリの言動に時折、「あれ、ちょっと変だな」と思うことがあります。

 

実家の庭にある人形を持ち出して、旅行先で人形が写った写真を父親に送ったり、亡くなった夫を想い続ける女性宛てに夫になりすました手紙を送ったり、精神病を患う同僚と常連の男性をくっつけようと画策したり…。

 

常人では思いつかないようなことを次々と思いつけるのがすごいなと思いつつ、実際にやられたらちょっと怖いなとも思ってしまします。

 

そんな風に日常的に周りにお節介を焼くアメリですが、自分の恋には消極的すぎるところが可愛らしく感じます。

 

まとめ

 

というわけで、今回は映画『アメリ』のご紹介でした!

 

カメラに向かってアメリが語りかけてくるシーンや、食器がテーブルクロスにくっついた状態で風にのって揺れているシーンなど、かわいらしい演出が随所に施されていて見る者を飽きさせない作品です。

 

冒頭の登場人物のあれこれを語る独特なナレーションも特徴的です。

 

本作は、筆者が何度もリピートして観た数少ない作品なのですが、はじめて観た十代のときはアメリの性格が少し苦手でした。

 

何を考えているのかわからないな、といった印象を持ちましたし、登場人物が全体的にコミュニケーション不全っぽいところがあったり、ストーリーが唐突に進んでいく感じについていけず、演出は気に入ったのですが、内容が全く理解できなかったというのが正直なところです。

 

ですが、独特な演出方法にハマり、観返していくうちに内容にも共感できるようになっていきました。

 

ここだけの話、TSUTAYAのおすすめコーナーなどでよく宣伝されていましたが、小学生のころはジャケットのアメリのスプーン写がかなりホラーチックで「怖い映画なんだ」と勝手に思い込んでいました(笑)

 

アメリを観たことがないという方、観たけど苦手という方にもぜひもう一度挑戦してほしいなと思います。個人的には、オドレイ・トトゥも可愛らしくて好きなのですが、二ノ役のマチュー・カソビッツの好青年演技が良すぎて惹かれました!!

 

最後までご覧いただきありがとうございました!

 

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